豊臣家の跡継ぎ

秀吉は正室のねねとの子はおらず
側室の淀(=茶々)との間に
子を持つことになりました

ここにきて
世襲という言葉が
ねねの脳裏をよぎっていました

今回は

豊臣の名に依存する淀と
関白職を降りようとする秀吉について
お話ししていきます

 

病弱な子 捨

秀吉は
ねねが捨のお祝いに
淀に挨拶に来た次の日

ねねのいる
大阪城に帰っていました

ねねは秀吉に
信長が言っていた
世襲をするな

という言葉を忘れたのかを
問います

秀吉は
捨に豊臣家の跡を継がせるというのは
淀が勝手に言っているだけ

だから心配はいらない
と返します

と言いながら
自分の子が可愛くてしかたない
と続けます

秀吉はすぐに我に返りますが
ねねは不安を抱いていました

秀吉が大阪城で仕事をしていると
淀城にいる淀から
すぐさま手紙が届きます

その文には
淀は寂しいので
早く帰ってきてほしい

と書いてあります

秀吉は
淀からこのような手紙が届くと

毎度すぐに
淀城へ行ってしまいます

秀吉は自分の子である捨を
本当に可愛がっていました

ただ、捨は病弱なようで
頻繁に体調を崩していました

大阪城で秀吉が忙しくしているある日

淀から
捨の容体が危ない
との手紙が届きます

秀吉が急いで淀城を行くと
淀のそばには

変わり果てた姿の
捨がいました

淀は悲しみに溢れながら
秀吉に

「捨」という名前は
捨ててもいい

という意味だったのかと
泣き叫びます

秀吉が捨という名を付けた理由は
捨てることで丈夫になる
という話を聞いたからだったのです

大阪城への入居

捨が亡くなった後
秀吉に
変化が起きていました

秀吉はねねに
信長との約束を
危うく破るところだった

と話します

ねねは
安堵の返事をしながら
涙を流します

続けて秀吉は
関白職を降りることを
決めます

血の繋がりのない者に
関白を継がせれば
世襲はなくなるためです

しばらくすると
秀吉が距離をおいていた淀から
手紙が届きます

捨がいなくなってから
寂しくて生きた心地がしない
という内容です

秀吉は毅然と

今は仕事が立て込んでいて
会いにいけないため
耐えて欲しい

と返信します

淀からは
それなら死んだほうがましなので
先にあの世へいきます

と返ってきます

あの世へという言葉を見た
秀吉の目に

小刀を喉元に突き立てていた
お市のさみしそうな顔が
浮かんできます

秀吉は急ぎ
淀の元へ向かいます

淀は秀吉に
そばにいさせてほしい
と泣きつきます

秀吉はしかたなく
淀を大阪城に
連れ帰ることにしたのでした

豊臣の威へのとらわれ

秀吉は淀に
大阪城の離れに
部屋を与えます

淀はすぐ
ねねに挨拶に向かいます

そこで淀は
また次の子を産む
と宣言します

ねねはため息をつきます

淀の部屋にて
淀と付き添いの侍女の間で

本丸の大阪城にいれば
また秀吉との子を授かることができる

そしてその子に
豊臣家の跡を継がせて
必ずや浅井を再興しよう

と企てた会話をします

淀は秀吉に
楽しそうに遊ぶ
侍女とその子の姿を見せ

また子が欲しいと
せがむのでした

甥への世襲

秀吉は甥である秀次に
関白職を継がせて
自分は太閤たいこうになっていました

これを聞いたねねは
秀吉を問い詰めます

関白職を辞するときは
血のつながりのない者に継がせると
言っていたはずだと

これに対して秀吉は
秀次は養子であり
血のつながりはほとんどない

世襲ではなく
能力を見て継がせたのだと

自分はまだ太閤として
実権を握っているため

秀次が間違っている場合は
止めることもできるし
心配はいらない

と返します

ねねは納得ができないまま
不安を感じていたのでした

 

今回は以上です

最後までお読みいただき
ありがとうございました