豊臣となった羽柴秀吉

羽柴秀吉の「羽柴」とは
信長の家臣である

丹羽長秀の「羽」と
柴田勝家の「柴」を
掛け合わせたものでした

 

今回は、

秀吉が朝廷に入り
豊臣秀吉となるまでについて
お話ししていきます

 

朝廷最高位の関白

信州の信長の家にて
情報を持ってきた天海和尚(=光秀)を
濃姫が迎え入れます

縁側に座り会話をする三人

天海の調べにより
朝廷の関白職が空いていることが
知らされます

関白とは天皇の補佐役であり
朝廷では実質上最高の位です

秀吉がその位につければ
朝廷内を牛耳ることが
できるようになります

そしてその関白職の決め方は
天皇自らが使命するようで

そのためには直接天皇に会い
気に入られる必要がありました

また、このとき朝廷内では
秀吉に将軍職を与えることが
検討されており

声がかかることは
時間の問題でした

信長と天海は
秀吉が朝廷から呼ばれた際に

関白をどのようにして頂くか
戦略を練ります

天海はさらに
朝廷の財が危機に瀕している
との情報を得ていました

二人は
天皇に黄金こがねを与えてみるのが
効果的と判断し

次の手を考えます

このことを
信長から秀吉に伝えるため
伝書鳩を使います

この鳩は
信長が隠居生活の暇つぶしに

家康とのやり取りで
使っていたものです

信長と天海は
秀吉に直接会えないため

家康を経由して伝える方法を
取ったのでした

武力と財力

以前、秀吉が勝家を
討ち取った直後のこと

秀吉は領土問題の相談で
信長に会いに行っていました

その時のついで話で
信長は秀吉に

今後の動きのために
派手な城を作るよう助言します

この意味は、武力だけでなく
財力も持ち合わせていることを

世間に見せつける必要性を
意図していました

このとき
秀吉とねねの話し合いにより
黄金の部屋を作ることになります

密会で使われる茶室に
財力を誇示するための黄金を
張り巡らせたのでした

謁見の間の駆け引き

信長の元から久しぶりに来た
伝書鳩との再会を家康は喜びつつ

足にくくられている手紙を見つけます

極秘の伝達係である
服部半蔵を経由して

手紙に書いてあったとおり
秀吉に関白職の座を狙うよう
伝えるのです

 

半蔵からの伝言を受け
準備を済ませた秀吉のところへ

朝廷から
将軍任命を伝えるための
遣いがやってきます

秀吉は彼らを
謁見の間である
茶室に通します

秀吉は
使者からの話を聞く前に

部屋中にある黄金こがね
存分に見せつけます

そして

金の茶釜から金のさじで湯をすくい
金の茶器で茶を立て
使者達の前に並べていきます

黄金に興味を引き付けた上で
秀吉は使者からの話を聞きます

想定していたとおり
天皇から秀吉へ
征夷大将軍の称号が授けられる

との話を聞かされます

秀吉は
黄金に弱気になった使者に

天皇へは直接お答えする
と言い張り

お伺いの予定を
強引に取り行ったのでした

天皇との対峙

いずれは会う予定ではあったが
秀吉の強引な参内さんだい
怪訝になる正親町天皇おおぎまちてんのう

謁見の間にて
天皇から秀吉に

征夷大将軍の称号を
言い渡されます

秀吉はここできっぱりと

そのような称号は求めておらず
公卿くぎょうの座をいただきたい
と言い切りました

この返答に対し
天皇は怒ります

すぐさま
秀吉を追い出そうとしますが

秀吉の目配せで
家臣から天皇に
黄金の茶釜が上納されます

加えて秀吉から
自分を公卿にしていただければ

もっとお喜びいただけるものを
ご用意する
と伝え、

武士が公卿になれば
天皇が秀吉の名を借りて

財を思いのままに
することだってできる

と付け加えました

天皇は朝廷の財が
危機に瀕していることを考え

将軍の話を取りやめて
秀吉を公卿として
召し仕えることにするのです

公卿を与えられた秀吉は
名前を変えたいと申し出て

民が豊かになるような命名を
天皇に求めます

天皇からは一旦
民豊たみとよ」の名が提案されますが

民よりも
臣である自分が豊かになりたいとし
豊臣とよとみ」が名付けられます

 

これが世に有名な
「豊臣秀吉」の誕生の瞬間です

名前は豊臣となりますが
この名の本来の意味は

民が豊かになるよう
秀吉の願いが込められているのです

かくして秀吉は
朝廷内に
立場を確立していったのでした

 

今回は以上です

最後までお読みいただき
ありがとうございました