
舞台裏では
信長と光秀による
今の世の中の観察と
秀吉への
助力の方法を探っている中
表舞台では
信長の後継を巡る
不穏な空気が
流れ始めていました
今回は
秀吉と勝家の対立と
お市の純潔について
お話していきます
軋みが生じた会議
清州城にて
筆頭家老の柴田勝家
その他の重臣たちと
秀吉による
信長後継の
会議が行われていました
信長の重臣の一人が
長年仕えてきた勝家が
後継に相応しい
と言う中
別の者は
光秀を討ち取った秀吉こそが
後を継ぐのが筋である
として
話し合いは拮抗していました
ここで重臣の一人から
順列では勝家が適切である
と、言い出す者がいました
これは現代においても
同じようなことが言え、
家系も含めて
正当に判断するのであれば
筆頭家老であり
信長の妹を正妻としている勝家が
頭領になるべきと言えます
しかし秀吉は
身分の差のない平和な世を創るという
信長の夢を背負っているため
引き下がるわけには
いかない状況でした
ここで秀吉は
奥の手として用意していた
勝家の兵だけで
どのように天下を取るのか
信長軍は自分の側についている
と宣言します
これに勝家は激怒し
話し合いに決着がつかないまま
会議を終えるのでした
勝家の想い
憤慨の気分が落ち着かないまま
勝家はお市に告げます
勝家は
お市がまだ幼い頃から
気の強いところに惹かれ
長い間ずっと
お市を想い続けていたのです
浅井からお市一人だけが
助けられてきたときは
気の毒だと思いながら
その後、
信長からの申し出で
婚姻することできて
生涯一の幸せを
感じていたのです
勝家はお市が
愛おしかったのです
このことを聞いたお市は
驚きと感謝を示し
何があっても
勝家と添い遂げることを
約束するのです
喪主と戦の宣言
物静かな信州の山の中
信長と濃姫の家に
秀吉と妻のねねが
相談に訪れていました
勝家が会議で
納得しなかったことについて
信長はその頑固さに笑います
秀吉は次の手として
信長の葬儀を喪主として
執り行うことを考えます
これは多分に力技になるので
戦に発展しないかを
信長は心配します
三か月後
秀吉から喪主として届いた
信長の葬儀参列の願い
の手紙を見た勝家は
怒りが頂点に達します
秀吉反対派の同盟を組み
戦を仕掛けることを
宣言するのです
その反対派の中には
織田の重臣として
屈強であった軍師がおり
この知らせを
天海和尚に名を変えた
光秀から受けた信長は
戦況が長引いてしまうことを
懸念するのでした
未練のない最期
信長軍率いる秀吉と
同盟軍率いる勝家の戦は
半年もの間続きました
長引いた戦は
次第に秀吉側を優勢にし
追い込まれた勝家は
北ノ庄城に逃げ込みます
秀吉が城に入っていく中
観念した勝家の家臣たちは
歯向かうことをしませんでした
秀吉が城の奥へと進むと
そこには
脚を引きずる勝家と
肩を貸しながら最期の部屋へ向かう
お市の姿がありました
勝家は秀吉に観念し
お市に
秀吉と一緒に行くように促します
お市はそれを断り
約束したとおり
最期まで添い遂げることを告げて
勝家を先に部屋へ向かわせます
それと同時に
小刀を自分の喉元に突き立て
秀吉の接近をけん制します
以前の夫である
浅井長政に先に逝かれたときの
秀吉からの当て身を防ぐためです
お市は秀吉に
天下を取る理由を問います
秀吉は
信長の夢である平和な世を創るため
と答えます
その答えに安心したお市は
兄の夢を叶えてくれるよう
秀吉に願い入れます
秀吉は
その夢を一緒に叶えていこうと
お市に手を差し伸べますが
お市は何度も首を振り
兄の信長がいないこの世に
もう未練はないと断ります
秀吉は
まだ信長は生きている
と叫びたくなるのを我慢し
涙を流しながら
お市の覚悟を制止しようと
手を差し伸べます
お市は涙ながらに
長政との子どもたちと
再会させてくれたこと
また一緒に暮らせる環境を
用意してくれたこと
浅井家を迎え入れてくれた
秀吉の厚意と立ち回りに
心からの感謝を伝え
勝家の待つ部屋へ
走り向かっていくのでした
秀吉は
追いかけることもできず
城を後にしていきます
秀吉が城から離れたのを見計い
勝家とお市は
互いに手を添えながら
焙烙玉に火をつけるのでした
大きな爆発音が鳴り響いた城は
みるみると燃え上がり
勝家とお市の
最期を告げます
信州の家で
信長は
秀吉からこの話を聞き
畳に手をつけ
うずくまりながら
涙を流し落としたのでした
今回は以上です
最後までお読みいただき
ありがとうございました