
一人目の子が亡くなり
二年が経つころ
二人目の子が生まれており
秀吉と淀に
大事に育てられていました
今回は
子の命を狙う者と
沼にはまっていく秀吉について
お話ししていきます
朝廷からの刺客
二人目の誕生後
秀吉は淀のために建てた伏見城へと
拠点を移していました
この子は
「拾」と名付けられていました
後の「豊臣秀頼」となる子です
二人は拾は守り抜こうと
以前よりも絆を強くしていました
そこへ
秀吉の指南をしていた千利休が
お祝いに駆け付けます
千利休とは
これまで秀吉と朝廷をつなげ
朝廷内に秀吉の立場を築いていった
強い味方です
利休は
拾を可愛がる秀吉と淀に
お祝いのお茶を立てることにします
先に二人にお茶を出し
次に拾へのお祝いとして
茶を唇につけることにします
淀は、準備を始める利休に
少し戸惑いながら
胸に抱く拾を渡します
利休が拾を抱きかかえ
茶を唇に塗ろうとしたとき
秀吉が大きな声で
それを制止します
驚いた淀と利休と拾
秀吉は
泣き出す拾を利休から取り上げ
淀に渡し
その部屋から
すぐ出るように指示します
淀が茶室を出て行ったあと
秀吉が利休の懐を調べると
薬包が落ちてくるのでした
利休が言うに
それは持病の薬とのこと
ですが
秀吉が今すぐそれを飲めと突きつけると
頑なに拒否するのです
秀吉は利休に
誰に命じられたのかを問います
利休は
朝廷からの指示だと
答えるのでした
天皇と利休
秀吉と淀の二人目の子
拾が生まれた直後のこと
そんな怖ろしいことはできない
と拒絶する利休と
その対面には
天皇の姿がありました
利休が後陽成天皇から
拾を暗殺しろとの命を
受けていたところです
天皇は
武士の身でありながら
朝廷に口を出す秀吉を
邪魔に感じており
秀吉を継ぐ者を
排除しようと
企てていたのです
その方法が
薬を唇に少し塗るだけ
というものでした
その薬は
即効性があるものではなく
少しずつ効いてくるもので
誰も利休を疑わないであろう
との見立てでした
利休は後陽成天皇から
これまで多くの恩を受けてきており
断り切れなかったのです
名誉を重んじる天下人
拾を暗殺しようとした利休を
許せない秀吉は
刀を抜こうとしますが、
茶室には刀を持って入れないことを
思い出し
苦し紛れに利休を殴りつけます
利休が倒れた音に驚いた家臣たちが
秀吉を止めに入ります
秀吉は何度も利休を殴りつけたのち
地下の牢に入れておくよう
家臣に指示するのでした
翌日
利休の処遇に判断がつかない秀吉は
ねねに相談を持ち掛けます
ねねは
信長が言っていた
朝廷とうまくやっていくように
という言葉を思い出します
今、公に利休を処したとなると
朝廷との関係がこじれ
これからの執政にも
影響が出てしまいます
そこで秀吉は思い付きます
信長が光秀を
理由なしに苛めていたように
利休への切腹の理由を
世に明かさないことにするのです
会議の場にいる淀
拾の命が狙われたことで
淀は秀吉に
拾への跡継ぎを
はっきりさせて欲しいと
懇願します
拾の立場が知られていれば
命を狙おうとするものも
いなくなるはずとのことです
秀吉は
それを今するのは得策ではないとして
話を打ち切ります
そこで淀は
自分も政治の情勢を知りたい
と願い入れ
秀吉は生返事をしてしまうのでした
伏見城で行われる定例会議の席
家康の他に4人の大老がいる場に
淀の姿もあります
秀吉は淀に
会議の席から外れるよう
促しますが
淀は
ねねも今まで会議の場に
いたことを引き合いに
政治の情勢を聞くことを
秀吉も許してくれたとし
居座ることにします
それからの会議では
淀が毎回参加しており
家康も
秀吉と二人で会話ができない
状態になっていました
家康が秀吉に
折り入って二人で話したい
と言っても
淀が
遠慮なくその場で話すようにと
促します
家康はその場で
秀吉に伝えます
信長の遺志について
どうお考えなのか、と
これは、世襲をすることは
信長の言う
平和の世を創るという夢に
反することになる
という釘をさす意味が
込められていました
家康は淀がいる前で秀吉に
信長の遺志を拾に伝えていきたい
と宣言します
困った秀吉は
今日は疲れたということを理由に
その件の話は次回にするとし
席を立ってしまいます
淀もそのあとをついていきます
家康は二人の後ろ姿に
ため息を吐きながら
見つめていたのでした
今回は以上です
最後までお読みいただき
ありがとうございました