お市の夫と子への愛

前回は
織田と浅井の同盟
長政とお市についてと

長政の
優しくも強くなれなかった
心についてお話しました

 

今回は
長政とお市の覚悟と

お市の愛について
お話していきます

 

信長の夢に賛同する家族

信長には13歳離れた
妹がいました

「お市」です

その性格は頑固であり
信念を持っていました

お市は信長の言う
平和な世界を創る
という夢を

心から応援しており
力になりたいと思っていたのです

織田と浅井の同盟の際に
表面上は人質として
長政の嫁に出されますが

お市は信長から
確認していたことが
ありました

長政のことが好きかどうかです

信長は
長政が平和な世界を理解してくれて
そして賛同してくれていること

また、優しくて芯があり
お市を大切にしてくれるはず

そんな長政が好きだと

このように答えました

お市は
それなら兄と長政を信じて嫁に行く

力を合わせて
平和な世界を創ってほしい

と言い、
二つ返事で承諾したのです

長政とお市の覚悟

時を進めます

浅井の重臣の誘導により
朝倉から仕掛けられた
織田への戦の際に

同盟であった長政の寝返りにより
窮地に立たされた信長

命からがら逃げ延びたあと

光秀と秀吉により
この戦は一時
止められることになります

信長が岐阜城に戻り
家臣たちや濃姫と再会したのち

比叡山延暦寺が
朝倉と浅井と
同盟を組んだことを機に

彼らとの決着が近いことを
感じ取ります

浅井には
妹のお市が輿入こしいれしています

信長には平和な世を創る
大きな夢があります

朝倉との戦中の
突然の寝返りへの思いを
胸に抑え

秀吉を経由して
長政にもう一度
同盟の話を持ち掛けます

長政は、
自分の決断力が弱く

裏切る形に
なってしまったことを
深く詫びていました

再度の同盟に関しても
心から喜び
仲を戻したいと思っていました

しかし、長政は
浅井の重臣を自分では制御できない
という理由から

この同盟を断ります

満足な協力を
約束できないからです

これにより
織田と浅井の衝突は
避けられなくなりました

秀吉は信長から
同盟の話が破談した際は

お市を連れ帰るよう
命を受けていました

秀吉はお市を呼び
ことの流れと
この後に始まる戦を説明し

安全のため
一緒に織田に帰るよう
説得します

お市はこれに対して
きっぱりと断ります

長政との間にできた子たちを
大切に想うこと

自分はもう
織田ではなく浅井であることを
断言します

お市は長政と一緒に
最期を迎えることを
決意していたのです

 

信長は
一人で帰ってきた秀吉から
この話を聞き

流石は自分の妹だと
感心しながらも
切なくなるのでした

浅井の最期

小谷城へ向かう
織田軍の姿

横から浅井への加勢で
織田へ攻めてくる
朝倉軍

長きに渡った小競り合いの
終止符となる戦を迎えます

 

織田には鉄砲部隊がおり
力の差は歴然でした

間もなく朝倉は逃げ出します

追い詰められた長政は
この責任は自分にあるとし

家臣たちへ逃げるように促し
お市や子どもたちを
守るようにと願い入れます

長政は一人
最期の部屋へと走り向かいます

その姿をお市が見つけ
追いかけますが

距離を離されてしまい
長政は一人
納戸へ入ってしまいます

穏やかな声で
織田へ帰るよう
お市の身を案じます

お市はそれを断り
長政と一緒の道を選ぶと
扉を叩きながら懇願します

そこへ後ろから
秀吉がやってきます

秀吉はお市に

生きていれば
またやり直せるから

どうか一緒に
織田へお帰り願いたい
と伝えました

お市は秀吉を睨み
それを断ります

やがて納戸の中から
長政の御免という声と共に
自害を語る音が聞こえます

その瞬間の隙に
秀吉は当て身を食らわせ

気絶したお市を抱え
その場をあとにするのでした

悲しみと笑顔

岐阜城にて
信長とお市は
久しぶりの再会を果たしますが

お市は部屋に閉じこもり
食事も取らず
傷心していました

夫の長政を失い
子ども達とも会えなくなった状況に

生きる希望を失っていたのです

そこへ濃姫が
優しく語りかけます

泣きたいときは
泣いていいのです

また会える子ども達に
元気な姿を見せられるよう

今は食事をしっかり取り
再会に備えましょうと

お市は
また子ども達に会えるという言葉に
目に元気を取り戻します

 

秀吉は浅井家を
家臣として受け入れ

お市とその子たちが
一緒に暮らせる環境を
整え始めていたのでした

 

今回は以上です

最後までお読みいただき
ありがとうございました